小さい子の発熱には注意してください。
その発熱、ただの風邪じゃなくで中耳炎かもしれません。
あなたの小児科医は診察で耳をみてくれますか?
突然ですが、私の娘は赤ちゃんの時から中耳炎を繰り返しています。
小学校になっても落ち着くことはなく、聴力も下がってきたため、前日鼓膜チューブを入れる手術をしました。
そんな、中耳炎と向き合った6年間と手術を受けたことについてのお話です。
中耳炎は怖い?
中耳炎で鼓膜チューブを入れる手術を受けた娘の体験記
冒頭で触れましたが、子どもに熱が出たらどうしますか?
熱についての詳しい話はこちらへどうぞ
→危険な発熱と様子をみていい発熱について
普通はまず小児科へ連れて行きますよね。
しかし、私は娘が生後7ヶ月頃から繰り返し何度も発熱していたのに中耳炎と気付いてあげられなかったんです。
熱が出て小児科へ!
小児科の先生は耳をみてくれましたか?
赤ちゃんや小さな子どもってはっきりした症状が出ないのに高熱が出ることがありますよね。
少し鼻水が出てるだけとか、夜中に少し咳をするだけなのに38度以上の熱が出ることなんてざらにあります。
ここからは私と娘の経験談です。
育児休暇が終わり、生後6ヶ月とちょっとから娘を保育園に預けて仕事をしていました。
保育園に通わせると、子どもは色々な菌をもらってきますから、よく熱を出してまともに仕事ができないなんてよく言われますよね。
例に漏れず、我が子もよく熱を出していました。
第一子ということもあり、これまで小児科とは無縁の生活をしていた私は近所の小児科の評判などは知りませんでした。
なので、私の住む家から一番近くて通いやすい小児科に通院していたのです。
私は看護師ですが、子どもが熱を出す原因は子どもを見ても全く分かりませんでした。
小児科の先生から風邪と言われ薬をもらうけどスッキリ治らない日々。
熱が下がったけど数日後にまた高熱を出すなんてことを繰り返していたのです。
繰り返す発熱を心配していたある日、職場の同僚の子どもも通っている評判の良い小児科を教えてもらいました。
その小児科は車で30分以上かかる場所にあったのですが、子どものこととなると30分なんてたいしたことないですよね。
さっそく、次の日に評判の小児科へ行ってみました。
すると、
「ひどい中耳炎だねー。ここじゃダメだから耳鼻科を紹介するね」と言われたのです…
え?
中耳炎??
風邪だと思ってた数日間、娘は耳が痛くて苦しんでいたのかもと考えると可哀想でなりませんでした。
そういわれてみれば、これまで通っていた小児科では熱が出て受診しても耳を見てくれたことはありませんでした。
おまけに診察室に入る前にオムツ1枚と肌着だけにしなくちゃいけなかったけど、こちらの小児科は服のままでよかったりで、なんだか違いすぎて自分がきちんと小児科選びをしなかったことを後悔しました。
先生はカルテの私の住所を見ると、なんでこんな遠くの病院に来たのかと驚いていましたが、友人から評判がいいと聞いたことを話すと、私の家からわりと近くにある小児科を紹介してくれました。
その小児科はきちんとしたところだから大丈夫だよとお墨付きももらいました。
それから、引っ越しもして遠くなってしまったけど、今でも何かあればその小児科に通院しています。
話が逸れましたが、そんなこんなで耳鼻科に通う日々が始まりました。
繰り返す中耳炎に抗生剤を飲ませる日々が続く
7ヶ月にして酷い中耳炎になってしまった娘は、そのまま耳鼻科で鼓膜切開をしました。
文字通り、鼓膜を少しだけ切って、中に溜まっている膿(のう)を出す治療です。
泣き叫ぶ我が子を見ているのが本当に辛かった…
たかが中耳炎なんて思う方もいるかもしれませんが、苦しがる子どもを見ることほど母親が悲しくなることはないと思います。
代わってあげられたら…と何度考えたことか。
それからも、中耳炎は一進一退とでもいいましょうか。
治って数週間で再発を繰り返しました。
熱が出ると小児科ではなく耳鼻科に通うようになっていたので、以前のようにひどくなることはなく、抗生剤を飲ませればすぐに治るというのを繰り返したのです。
だいたい2歳になったころから、少しずつ熱が出る回数が減ってきました。
中耳炎が原因で耳が悪くなった!?
2歳を過ぎてからは、あまり熱を出さなくなった娘。
中耳炎は鼻や耳の構造上、小さい子ほどなりやすいというから、うちの子も少し成長して中耳炎にならなくなったんだなーと嬉しく思っていました。
しかし、5歳になった頃からなんとなく娘の耳が聞こえにくいんじゃないかなと感じるようになりました。
呼んでも返事しないことがあったり、テレビの音量をやたらと大きくするようになったのです。
最初は気のせいかな?なんて考えていました。
熱もないし、耳も痛がらないから中耳炎ではないだろうし、耳掃除しとけばいいかなーなんて楽観視していたのです。
耳掃除をしても娘の耳がなんとなく聞こえが悪い気がするのは変わりませんでした。
そこでやっと耳鼻科に行きました。
すると、今度は『滲出性(しんしゅつせい)中耳炎』と診断されました。
これは、慢性中耳炎で熱が出なかったり、痛みがない中耳炎なのです。
そのせいで、聴力も下がっているとのことでした。
そして、初回の受診でしたが、聴力低下思っていたよりひどいため、またしても鼓膜切開をすることになりました。
この時も、もっと早く耳鼻科に来ていたらと後悔です…
鼓膜切開をして、溜まっていた膿を吸ってもらうと驚くほど耳の聞こえが良くなりました。
そして、この日からまたしてもながーい耳鼻科通院の日々が始まったのです。
繰り返す滲出性中耳炎…
とうとう手術を進められる
娘は中耳炎になることが多いためか、熱が出て耳が痛くなるタイプの急性中耳炎でも耳の痛みを訴えることがありませんでした。
中耳炎の状態が娘にとっては普通のような感覚になっていたのでしょうか…
熱が出て病院へ行くと、この状態だとかなり痛いはずだと先生に言われても、娘は痛くないと言っていました。
痛みがないのは娘にとって苦痛が少なくなるので良いのですが、それで中耳炎の発見が遅れているのかもと悩むこともありました。
急に耳垂れ(耳から黄色い汁が出てくる)があって、中耳炎に気がつくことも何度かありました。
自然療法では、鼓膜切開せずに自然に鼓膜が破れて膿を出すと再度中耳炎になりにくいなどと言われているようですが、娘の場合は、そんなの全く関係なく中耳炎を繰り返していました。
そんな中で、6歳になってまた耳の聞こえが悪くなってきました。
検査をしてもやっぱり聴力は下がっていました。
先生からは鼓膜にチューブを入れる手術をした方がいいと言われました。
聴力が下がったままだと普段の生活だけじゃなく、学校の勉強にも影響がでるかもと言われました。
また、娘はアデノイドという鼻の奥にある扁桃(へんとう)が大きくなっていて、それも手術で取った方がいいのではないかと言われたのです。
どちらの手術も全身麻酔が必要で、入院しなければいけないのです。
まさか、我が子が入院して手術をしなくては行けない日がくるなんて思ってもいませんでした。
大きな病院へ移り診察をうける
アデノイドの手術をするかどうか迷う日々
アデノイド増殖症という診断がつきました。
いよいよ大きな病院への紹介状をもらい、手術を前提にして受診することになりました。
この時も、本当に手術するべきかどうか悩んでいました。
というのも、全身麻酔をするわけですから、子どもの小さなからだにとって麻酔の薬の悪影響などが心配だったからです。
数年前にはアデノイドの手術で小さな子が命を落とす事故もありました。
考えれば考えるほど、どうしてあげることが娘にとって最前か悩んでしまいました。
大きな病院での検査の結果、確かに聴力は落ちていて鼓膜チューブは絶対に入れた方がいい、しかしアデノイドの肥大は中等度なので絶対に手術しなきゃいけないほどの大きさではないと言われたのです。
アデノイドも絶対に取らなきゃいけないと思い込んでいたので、少し拍子抜けしました。
手術を迷っていることを伝えると、まず鼓膜チューブを入れる治療をして、
それでも中耳炎を繰り返したり、成長しても口呼吸が治らない、寝ている時に息が苦しそうなどの症状があれば再度、アデノイドの手術を検討しましょうと言ってくれたのです。
これで、アデノイドの治療をすることを今回はやめようと決めたのです。
ついに鼓膜チューブをいれる手術を受けました
鼓膜チューブですが、大人だと外来でもできる簡単な処置だそうです。
しかし、子どもは動きます。
動くとかなり危険なので全身麻酔で眠らせて手術をしなくちゃいけないそうです。
麻酔のための外来受診や、手術に立ちあう看護師とお話をしたりしなくちゃいけないので手術前日に入院します。
1日目の動きとしては
10時 小児科病棟に入院
11時〜 耳鼻科外来で主治医の診察を受けて、明日の手術が行なえるかチェックしてもらう
麻酔科外来を受診。麻酔をかけてくれる医師から麻酔の説明を受ける
15時 手術室の看護師から手術の説明をうける
17時 入院している病棟の看護師から食事の説明など、再度手術の説明をうける
19時 入浴
という感じでした。
暇な時間が多いので、ベッド上で遊べるものや本などが役に立ちました。
小学生は麻酔が選べる!?
2種類ある麻酔のメリット・デメリット
麻酔科で麻酔の説明をうけた際に、麻酔方法は2つあると言われました。
・15キロ以下の小さな子はマスクから少し匂いのするガスを吸わせて眠らせる方法
・15キロ以上の子どもは点滴をして薬を注射する方法
我が子は小柄なので小学校1年生ですが体重は19キロです。
先生いわく、小学校低学年までの子はこの2つの方法から子どもに合った方法を選んでもらっているとのことでした。
マスクでの麻酔のメリットは注射をしなくて良いことです。
注射が好きな子はいないと思うし、出来ることなら痛いことは最小限にしてあげたいですよね。
デメリットは、体重が増えれば増えるほど、ガスを吸い始めてから麻酔が効くまでの時間が長くかかることです。
麻酔が効いて眠ってしまうまでの間は、眠くてぐずるような感じになるそうです。
泣く子もいるし、からだを動かしちゃうこもいるみたいです。
あとは、ガスが少し特徴のある匂いらしいです。
この対策として、色々な匂い(例えばバニラエッセンスとか柑橘系の匂いとか)を選んで、麻酔をかけるガスに混ぜてくれるようです。
注射での麻酔のメリットは、注射をするとすぐに眠ってしまうことです。
ガスでは長いと数十秒から数分間眠れないのに対して、すぐ眠ってしまうのでぐすったりすることはほぼないようです。
デメリットは、やはり痛いことですよね。
ここまで麻酔の先生に説明してもらい、我が娘は臭いのが絶対に嫌だからと注射で麻酔をかける方法を選びました。
しかし、病棟に戻ってらか色々考えたようで、やっぱり注射しないやつがいいと言い出したのです。
そこで病棟の看護師さんにその旨を伝えて、今から変更できるか確認してもらおうとするととんでもない発言を耳にしました…
マスクでの麻酔にしても、点滴をしなくちゃいけないのでどっちにしても注射しますよ?
えー!!!!
そんなこと聞いてないよー。
それなら、15キロ以上ある娘にマスクでの麻酔のメリットないやん。
麻酔科の先生は麻酔に関してしか説明してくれなかったんですね。
実際は、麻酔に関係なく手術をする医師から点滴をするように指示が出ているので、どの麻酔方法を選んでも注射されるのです。
聞いといて良かった…
もし、このように麻酔の選択を迫られたら、ガスでの麻酔の場合は点滴もしないのか、本当に1回も注射しないのかしっかり確認した方がいいです。
子どもの苦痛は最小限にしてあげたいですからね。
ということで、娘は注射で眠らせる方法を選びました。
手術が始まった
手術室までは点滴をしながら歩いて行きました。
私の病院では手術室の中まで、そして眠ってしまうまではお母さんが一緒にいることができました。
手術室に入り、昨日説明に来てくれた手術室の看護師さんたちが迎えてくれました。
娘の好きなキャラクターを聞かれたのだけど、手術室にも着替えなどをする前室にもそのキャラクターからの応援メッセージがたくさん貼ってありました。
子どもは自分の名前とキャラクターを見て喜んでいました。
子どもはパンツ以外のすべてを病院のものに着替え、私は着ている服の上に病院の服を着て髪の毛が出ないように帽子をかぶりました。
用意ができたら手術室へ行きます。
手術するベッドに横になりました。
耳鼻科の先生、麻酔をかけてくれる先生、看護師さんなど総勢6〜7人ほどに囲まれれます。
娘のそばにいていいのか分からず、一歩離れて見ていると、お母さんは一番近くにいてくださいねと声を掛けてもらえました。
そばにいていいんだ。
機械だらけの部屋で、娘に眠くなる注射が打たれました。
「なんか痛い」と言ってから3秒くらいですーっと眠っていきました。
簡単な手術だし、麻酔が終わればすぐに目を覚ましてまたうるさくて元気すぎる娘に戻ると分かっているのに、
なんだか不安な気持ちとか罪悪感のような感情で涙が溢れてきました。
麻酔が覚めてからが一番辛い時間かもしれない
手術は1時間もせずに終わり、息子とおばあちゃんが待つ病室に1度戻ったけれど、すぐに手術室に呼ばれました。
私が手術室に着いたときには、すでにうっすら目を開けていた娘。
無事に終わって良かった。
医師からは右の耳から少し出血しているけど、なんの問題もなく終わりましたと説明を受けました。
そのまま先生も一緒に病室へ戻ります。
移動する台から私が抱っこしてベッドへ戻りました。
寝ていた娘は、「気持ち悪い」、「頭がぐるぐるする」と泣きます。
寝ていればすぐに良くなるよと伝えるも、寝ていられないくらい気持ち悪いみたい。
看護師に確認すると、すぐに大丈夫になる子もいるし数時間具合の悪い子もいると…
ベッドに添い寝したり、さすったりして、結局膝枕をするような感じで抱っこしてあげて眠ってくれました。
30分くらいは寝たかな〜
看護師さんが血圧を計りにきて目を覚ましました。
その時には、かなり体調が戻ったようで
「トランプしよ〜」というのが第一声です。
あんなに心配したのに〜なんて少し思っちゃいましたが、
本当に良かった!!
これで安心かなとやっと一息つけました。
麻酔からしっかり覚めて元気になればその日のうちに退院できます
時間の経過とともにどんどん元気になる娘。
耳の痛みも違和感も全くない。
元気すぎて病院だから静かにーって言わなきゃいけないほど元気。
しっかり起きてから1時間くらいで水分が取れるようになり、点滴も終わりました。
水を飲んでも吐き気がなかったので、ここでやっと食事解禁!
何も飲めない・食べれない娘の前で飲食するのは可哀想だからと一緒に我慢していた私とおばあちゃんも食事解禁!!
娘はオレンジジュースを信じられない早さで一気飲みしていましたw
10時過ぎに手術室へ向かい
15時には退院しました。
念のため、17時に病院の看護師から体調に変わりないかの電話が来るシステムになっているようです。
電話が来たときも娘は元気で何の異常もありませんでした。
退院後の生活
手術といっても簡単なものなので、なんと翌日から学校に行ってもいいと許可をもらいました。
ただ、耳に入れたチューブが安定するまでに3〜4日かかるから、その間は激しい運動は控えること、
耳に水が入らないように気をつけるようにと言われました。
飲み薬はなく、1週間だけ耳に入れる薬が処方されました。
小児科ではあんなに抗生剤を飲まされていたのに、チューブを入れると膿が出て行くから抗生剤はいらないようです。
薬は基本的にはからだに毒ですから、これは鼓膜チューブを入れる大きなメリットかもしれないです。
退院して数日経過しましたが、耳のトラブルはありません。
テレビの音が大きく聴こえると音量を下げていたので、聴力も戻ったのかなと感じています。
おわりに
中耳炎は鼻の構造上、年齢とともになりにくくなっていくと聞くし、小学校に入ればもう耳鼻科に通う日々ともお別れかな〜なんて考えていた私は甘かったです。
鼓膜チューブを入れることがこれからどんな影響を与えるのか
アデノイドは手術しなくても小さくなってくれるか
これからも耳鼻科とは長い付き合いになりそうです。
一つ言えるのは、チューブを入れて娘の耳の聞こえは良くなりました。
無事に終わったから言えることかもしれませんが、今のところ、チューブを入れてあげて良かったのかなと思っています。
病気に関しても、治療に関しても一番怖い・不安なことはどんなことが起こるか分からない、想像できないことかなと思います。
あとは、発熱で小児科を受診した際は、必ず耳をみてもらってくださいね。
娘の経験がどなたかのお役に立てると嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。